ヒロシマ基礎講座


 日本ジャーナリスト会議広島支部(JCJ広島)が月1回開く「ジャーナリストのためのヒロシマ基礎講座では、広島で活動している記者たちが集まり、ゲストスピーカーとともに、主に「原爆・平和報道」について意見を交換しています。
これまでの講座の記録です。

第5回 米国の核政策と新政権の課題  太田昌克さん


 第5回ヒロシマ基礎講座が11月22日午後3時から、広島市中区の市まちづくり市民交流プラザでありました。共同通信社外信部の太田昌克記者が「米国の核政策と新政権の課題」をテーマに講演しました。

 9・11を契機に、攻撃力、防衛力、即応力のある核兵器製造インフラ―を柱とする、新しい核体制を目指し始めたブッシュ政権。2002年6月には、大量破壊兵器を所有する集団には先制攻撃すると発表し、「使える核」の模索を始めました。
 核兵器の通常兵器化を目指す政権に、米議会は反発。太田記者は机の中に広島原爆のきのこ雲の写真をしまっているある議員の姿を見て、「広島、長崎の声が届いていると実感した」と話します。
 結局、議会と世論の不支持でブッシュの核戦略は挫折。太田記者は「全世界での核廃絶を米核政策の中心的要素に位置付けたい」と話したオバマ次期大統領に期待を込めました。

otasan.jpg 講演後の意見交換では、「広島にいた時の太田さんの原爆平和報道の心構えとは」「本当に米国は核廃絶を目指すのか」「ロシアの核軍縮の現状」などについて話し合いました。

 太田記者は1992年、入社。広島支局勤務を経て2003―07年、ワシントン支局特派員。国際報道で優れた業績を挙げたとして、06年度の「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞しています。

第4回 広島の思想はなぜ国際政治を動かせないのか  広岩近広さん


 第4回ヒロシマ基礎講座が10月25日の午後5時から、広島市まちづくり市民交流プラザ(中区)でありました。毎日新聞社の広岩近広・専門編集委員が「広島の思想はなぜ国際政治を動かせないのか、動かすために我々はいかにすべきか」と題して講演しました。
 広岩さんは自らの取材経験を通して、「世界は日本を平和国家として見ていない」と強調。日本人が「平和ぼけ」している点に触れた上で、日本の戦争への態度について「アメリカの属国のように見られている」と指摘しました。
 日本が核の傘下に入る危険を認識した広岩さんは、毎日新聞の一面で「平和記者宣言」を発表。「核兵器は人間の細胞を破壊する。絶対に使ってはならない」と訴えました。
 約五十分の講義の後、参加者との意見交換もありました。東京のアーティストが広島市上空に「ピカッ」と描いた事件についての議論からスタート。元毎日新聞記者の西山太吉さんなどにふれながら、表現や報道の自由についても意見があがりました。長崎と広島の違いについても議論がありました。
 広岩さんは「広島の思想を伝えるため、個々の努力は大きいのに1つにまとまっていない。各メディアのメンバーが集まったJCJ広島としての発信に期待する」と講座を締めくくりました。

newpage1.htmlへのリンク